私は、一時期”うつ状態”と言われ休職した経験があります。周りに心配されても自分ではまったく気づけないくらい仕事の忙しさに追われたことや、上司との人間関係も悪化したことが原因となり、精神科の病院で“うつ状態“といわれ、会社と相談し2か月の休職をする経験がありました。
その休職期間2か月のうち最初の1か月で、時間を気にせずにゆっくりと過ごしたことや、楽しめることを好きなだけやってきたことで、体や心が改善してきました。ですが、休職期間が半分を過ぎたころ、復職の時期も見えてきて不安と焦りとが強く出てきてしまいました。今回はその不安が強くなった経験の時のこと、乗り越えた経験を書いています。同じように、復職に向けて不安感が強くなっている人に、少しでもプラスになったらと思い、私の経験談をまとめてみました。
休職期間が半分過ぎたころに不安になったこと
休職して最初のころから1か月くらいは、時間を気にせずにゆっくり休んだり、好きなゲームなどしたりと楽しいことを思いっきりやることで、体と心は安定してきましたが、1か月過ぎて休職期間の半分が過ぎたときに、主に2つのことで不安が強くなってきました。
1.復職時の不安
2.復職まで期間の不安
この2つの不安から、復職するのが怖いと感じたり、自分の存在に自信を無くしたりとしてしまいました。きっと、この時期は誰しも同じような経験をすることがあるのではないでしょうか?
私が具体的に感じた不安はこちらになります。
復職時の不安
- 復職しても、前と同じく“また”辛くなってしまうのではないか
- 復職できるだけの体や心が戻ってくるか、週5で働けるのか
- 何か月も仕事から離れて、復職してもいまさら自分が何か役に立つことがあるのか
- 復職しても、イライラした原因や、辛かった原因、やる気が出なくなった原因、人間関係トラブルの原因など、休職になった原因が解決できるのか不安
復職まで期間の不安
- 休職中に、自分は何も成長や変化ができていない感じがする
- 休職中なんだし、気にせず楽しんで良いと周りから言われたりするけれど、本当にそれで良いのかと不安になる
- 休職なんかしていて、これから先の1年後・5年後・10年後と将来が不安になる
- 毎日を無駄にすごしているのではないかと不安になる
- 何もしていない感覚になっているので、人と会うのが怖くなる
- 休職中は「何しているの?」と聞かれると辛さ。
- 世の中から取り残されて、自分なんて必要ないのではないかと不安に陥る
こうした不安は、休職から復職に向かっていく人は誰しも同じ気持ちになるのではないでしょうか?私だけや、あなただけの不安ではないはずです。
この不安自体は誰しも通ると思うため、今となっては不安になること自体は全然問題ないのではと思っています。ただ、そのままでは辛いままですし、前に進みたい気持ちから焦りが生まれているため、私自身がやってみて不安が減ったことがあるので紹介します。
休職期間中の不安を減らしたこと
不安を減らすためにやってみたことは大きく2つになります。
1.不安になったこととその対策を書き出す
2.復職に向かってやってみたこと
不安になったこととその対策を書き出す
まずは、不安になったことを感情のまま紙に書き出してみることです。実際に心理学の方法としても「エクスプレッシブ・ライティング」と言った気持ちを落ち着かせる方法で、感情のまま気持ちを書くことで気持ちの整理ができるようになります。
具体的に私がやった方法としては、紙を用意し、紙の左側半分に感情まま不安なことを書き出してみることです。前の「1.復職時の不安」「2.復職まで期間の不安」が、私の場合の実際書き出した不安になります。
次に、紙の右側には、その不安に対しての対応励ましを書き出してみることです。ここで大切にすることは、その不安を持っているのは、大切な人が抱えていると想像して、あくまで客観的にみて対応方法や励ましを書き出してみましょう。
私の場合は次のような感じで書き出してみました。
復職時の不安
<不安なこと>
- 復職しても、前と同じく”また”辛くなってしまうのではないか
- 復職できるだけの体や心が戻ってくるか、週5で働けるのか
- 復職しても、イライラした原因や、辛かった原因、やる気が出なくなった原因、人間関係トラブルの原因など、休職になった原因が解決できるのか不安
- 何か月も仕事から離れて、復職してもいまさら自分が何か貢献できることがあるのか
<対応方法・励まし>
- 復職していきなり前と同じ働き方をするのは誰しも大変なので、まずは3割の力でスタートしよう!!
- 仕事量が大変だったこと、この人と相性が悪いことは復職時にもう一度会社に伝えよう!
- 自分自身も仕事量をコントロールできるように仕事を断りながら減らしていこう!!
- プライベートの時間を大切にして、仕事ファーストを辞め、ストレス解消しよう!!
- 今まで仕事でやれてきたことがあるので、これからだってやれることたくさんあるから大丈夫!!
復職まで期間の不安
<不安なこと>
- 休職中に、自分は何も成長や変化ができていない感じがする
- 休職中なんだし、気にせず楽しんで良いと周りから言われたりするけれど、本当にそれで良いのかと不安になる
- 毎日を無駄にすごしているのではないかと不安になる
- 休職中は「何しているの?」と聞かれると結構辛い。思いのほか何もできないので。
- 休職なんかしていて、これから先の1年後・5年後・10年後と将来が不安になる
<対応方法・励まし>
【具体的に休職時に「できたこと」「得られたこと」を書きだす。成長や変化の実感を客観的に見れるようになれる】
- 今までやってこなかった料理ができるようになった
- 自己分析の資料を作って見れた
- ゲームして、楽しいと感じることができた
- 時間ができたのでたくさんの本をゆっくり読んで、知識を増やすことができた
【これから残りの休職期間で、取り組む小さなことからの目標を立ててみた】
- やったことのないブログ作成をして、今までの経験を書いてみる。
不安なことに対して、客観的にみて対応方法や励ましを書くことで、進む方向や心の落としどころがはっきりとしてくるので、気持ちが前に進んでいくことができました。
復職に向かってやってみたこと
いきなり復職になっても、体がもつかどうかや自身のなさからの不安に対しては、リワークの実施や目標を立てて実行してみることが良いでしょう。
- 今が復職を目指すタイミングになっているならば、リワークとして、朝は復職時と同じ時間に起きて、立てた目標の活動をするまたは30分~1時間歩いてみる
- 残りの日数で、例えば毎週の達成できる小さな目標を立てて実行してみる
- 私の場合の目標として、残り期間で今までやったことのなかったブログを5記事を書いてみる
- 孤立しないように、誰かと会話する習慣を作り、コミュニケーションの取り方に慣れる
リワークにより、体を慣らすことを目的に取り組んだほうが良いですし、目標は自分なりに達成できる小さめの目標を立ててみることをお勧めします。また、休職中は人に会いにくい気持ちになることもありますが、人から離れて生活をしてしまっているとより不安を感じてくるものです。家族や友人、病院・カウンセリングの人やお店の人など、是非ともコミュニケーションをとる時間も大切にしたほうが良いと感じました。
こうした取り組みから、不安や焦りがなくなってきたりし、具体的に残りの時間で何に取り組めばよいかわかってくると思います。
休職して良かったと感じたこと
自分自身が思っていたよりも、想像以上に辛い状況で危ない状況だったと、休職して心身安定してきたときにすごく感じました。人は時間などに余裕がないと、体が大変だという状況・苦しいと思っている状況すら気づくことができないと実感しています。休職中はだんだんと余裕が出てきて、自分を取り戻せた感覚になり、とても良かったと思っています。それに、仕事量もいっぱいいっぱいと思っていたが、なんであんなにも忙しかったのかと客観的に見ることもでき、復職してからも仕事量のコントロールをしようなど前向きになることができました。
また、個人的には、誰しもが長期休暇を取るべきだと思いました。理由は、気持ちや作業に余裕が出ることを無理にでも作れるからです。例えば、休みになったら代わりに誰かにやってもらうことになりますが、それは言い換えると誰でも対応可能な仕事に置き換わるので、複数人で仕事を回すことができ、常日頃から休暇の取りやすい組織が生み出されると考えています。もちろん、自信の心身も前向きになる時間にもなり、現状や将来のことも考える良い時間になるでしょう。
本当に誰しもが、一度といわず、最低でも年に1回くらいのペースでは休みが取れる環境が大切なことだと思いました。余裕をもった仕事・生活ができることがモチベーション維持にも繋がりますし、幸せに感じると思います。是非皆さんも、というよりも世の中がそういった休みが取れる環境になることを切に願います。
不安が強くなっている人や復職に向けたおすすめの本
復職までの間にも悩んでいるという人向けの一冊を紹介しておきます。 良ければ、こちらの本もぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
客観的なアドバイスで不安な気持ちを軽くしてくれる一冊
・本のタイトル:「しんどい心にさようなら」生きやすくなる55の考え方
・著者:きい
・出版社:KADOKAWA
<内容>
ひとそれぞれ悩みはつきものです。もっとしっかりしなければ、周りの目が怖い、気を遣いすぎて辛い、自分はなんてダメなんだなど。なかなか誰かに相談もできないそんな悩みに対して、客観的な視点でヒントを与えてくれます。気持ちが軽くなり考え方が変わってくることのできる本で、おススメです。
会社でしんどい時こそ、別の道もあることを教えてくれる一冊
・本のタイトル:「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由
・著者:汐街コナ
・出版社:株式会社あさ出版
<内容>
会社で働いているととてもしんどい気持ちになることがあります。それでも、会社を辞めるという選択がどうしても怖くて頭になく逃げ出したいのに、逃げ方がわからずにメンタルで追い込まれることがあるでしょう。私もそうでした。そんな中で、もっと世の中は広くて他の道に進むこともできると気持ちが変わるきっかけになる本です。
毎日を楽しく過ごすために仕事以外で大切にすべきことを教えてくれる一冊
・本のタイトル:精神科医が教える「毎日を楽しめる人の考え方」
・著者:樺沢紫苑
・出版社:PHP研究所
<内容>
仕事が忙しいこと自体はなかなか変えることは難しいものです。だからと言って楽しむことを我慢する必要ってあるのでしょうか?本書は、そんな”遊び”の時間を大切にすることで、遊びも仕事も両立したまま日々を楽しむことの大切さと方法を教えてくれる本になります。
人生において余裕のある時間・気持ちが大切だと学ぶことのできる一冊
・本のタイトル:頭のよはくの作り方
・著者:鈴木進介
・出版社:
<内容>
忙しい、時間がない、そんな状況の中では考え方がまとまらないものです。休める時間を・足を止める時間を作って、頭によはくを作ることが決断を良くしたり冷静になれたりと自分の力をしっかりと出せる状況になることでしょう。そんな、日々のいっぱいいっぱいの状況から脱することのできる考え方を学ばせてくれる本になります。
うつ状態・うつ病、その手前の気分など、病んだ気持ちの解消方法を学べる一冊
・本のタイトル:完全復職率9割の医師が教える「うつが治る食べ方、考え方、すごし方」
・著者:廣瀬久益
・出版社:CCCメディアハウス
<内容>
仕事の忙しさ、日々の楽しみがないなどからうつになったりとすることもあるでしょう。うつ病・うつ状態などのメンタル不調から回復させることができた医師の体験談を用いて、メンタルの回復するために必要なことを教えてくれます。特に、休養の大切さと再発しないための栄養やメンタルコントロールの取り組みなどが学べるため、メンタル不調を抱えている人にまずは読んでほしい本になります。
最後に
休職期間中は誰しもが復職に向けて不安を強く感じる時期があると思います。こうした中で、体と心が安定してきている状態であれば、徐々に体を慣らすことや復職に向けて不安を取り除いて前向きに過ごすことができるようになることを紹介してきました。私自身がやった体験談なので、皆様にどこまで当てはまるかどうかはわかりませんが、少しでも参考になればと思って書いております。復職を目指して、また復職後も良い生活を送れるように気持ちを整えていけることが望ましいですね。
また、今の休職が後ろめたいと感じてしまっているならば、「たくさんたくさん楽しんだ生活を送って良い休みだった!」と言えるようにして、今度同様に休職するような人が周りにいたときに、その人にたくさん良い休みを与えられる人になってください!
以上になります。
最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございました!