[仕事の悩み]産業医面談を受けた感想

 私は、産業医の面談を受け先生に相談したことがきっかけで休職した経験があります。仕事の忙しさと人間関係にイライラしていたり、いつも帰る時間が遅くなっていたことから睡眠時間を削ってしまっていて慢性的に睡眠不足になっていたりと、心身共に良くない状態にありました。ストレスチェックの結果、すごく高い状態が続いたこともあり、会社から産業医面談も勧められたことで、産業医の先生と面談する経験をしました。その後、2回目の産業医面談で長期休みを勧められて、その時に精神科にも相談に行って”うつ状態”と言われ、診断書をもって2か月間の休職をしておりました。

産業医との面談を経験する人はまだまだ少ないと思うので、私自身の産業医面談を受けた経験を伝えていきたい思います。

そもそも産業医って?

 産業医とは、労働者が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるように、会社とは中立の立場からアドバイスをくれたり会社に提言してくれたりとする医師になります。50人以上の労働者を抱える会社にとっては産業医がいることが義務付けられております。つまりは、いわゆる会社のことを知っている第三者目線の健康管理上のサポートをしてくれる医師になります。会社で実施するストレスチェックなどをもとに、高いストレス者へはこうした第三者目線の医師面談として産業医面談の実施が推奨されております。

産業医面談で話すことってどんなこと?

 まずは、仕事の悩みを聞いてくれます。仕事量や仕事時間が適切であるのかや、上司・部下との人間関係について不満があるのかとか、仕事の辛いことなど相談できるでしょう。他には、普段の健康管理も聞いてくれます。睡眠時間が取れているか、夜眠れているかとかや、プライベートでストレス発散ができていないなどが相談できます。

 産業医の先生はあくまで会社と従業員の中立の立場にいるため、話したことは会社や他の人には伝わらないです。そのため、今まで誰かに話し辛かったことも遠慮なく相談することができる場になっています。また、個人の希望があれば、話したことの内容をもとに先生から会社に、現状の具体的な改善策を提言してもらうことも可能です。

 とはいえ、そもそも実際に産業医面談前に何を話せば良いか不安になることもあるでしょう。私自身も最初はすごく気にしていて、何も話せないのではないかと思っていました。ただ、この点に関しては、産業医の先生は聞き出すこともうまい人が多いと思いますので、面談で自分から話ができなくてもどんどん引き出してくれて悩みを打ち明けて客観的に見てもらうこともできるでしょう。つまり、気軽に相談できる場が産業医面談になります。

産業医面談はどんな人が受けていいの?

 ストレスチェックなどで高ストレス者や長時間労働者から申し出があったら、産業医面談実施が会社としては義務付けられています。それを考えると、とても辛くなっていたり、かなり悩んでいたり、うつっぽくなったりしていたら相談はしやすいですが、私自身はその段階だとすでに遅いと思っています。もし、苦しい状況が続くとうつになることもあり、そうなると正直遅いのではないでしょうか?風邪のように症状がわかりづらいため、相談するタイミングってすごく難しいですし、私もぎりぎりになって初めて面談したので、だいぶ遅かったと思います。それなので私が思うに、最近ちょっとなんか靄っとするなーとか、仕事で落ち込んだことが会って一次的に辛くなっているとか、職場の人間関係がぎこちないなーと感じたりと、ハードルを下げて気軽な相談からしてみるのがとても良いと思っています。まずは気になったら会社の人事に相談してみましょう。実際に受けてみて思うのは、産業医面談は全然ハードルが高くないものだったので、心身の健康維持を客観的に見てもらうためにも、私はできる限り働いている人には1度は早めにそして気軽に相談してみてほしいと思っています。

休職に向けて

もしも、産業医の面談を受けて休職することになった場合のことについて先に伝えていきます。

①必ず休職なのかどうか?

最初に伝えたいことは、産業医を受けたら必ず休職になるわけではないです。あくまでその人の状況を客観的に見てアドバイスをくれて、もしも限界を迎える前には休職を勧めてもらうこともあるでしょう。私の経験則から言いますと、限界を迎えるくらいならば、早めに休職することもありだと思います。休むことで心身共に余裕が生まれるからです。そこは自分の状況を相談しながら見てもらうと良いでしょう。ただ、あくまで休職は最終手段の一つなので相談すると休職が必ずではないです。そのため、そんなにつらい状況でない方も、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか?

②休職中のお金について

 次に、一番の心配がお金の心配です会社次第ですが、休職中を有休消化にて対応できた場合は、有給休暇なので会社から全額給与が支給されます。もしも、精神科などから診断書を出してもらえた場合では、有給消化以外にも傷病手当を選ぶことが可能です。傷病手当では、休職扱いになった従業員は会社の給与からではなく社会保険料として、給与のだいたい6割~7割は支給されることになります。傷病手当ですと、少し受け取る額が減りますが、それでも0になることもないので、安心して休職可能です。

③休職前の引継ぎ

最後に実際に休職するまでの仕事の対応です。まず、休職の話は人事に相談していれば、会社の上司などには改めて伝わっているはずです。そのため、上司なども状況を知ったうえで、個人の体調次第で進め方が変わってきます。

 もし、重度などですぐに休まないといけない場合は、翌日からでも休みを申請することは可能です。引継ぎなどできないですが、業務をうまくまわすかどうかは会社の問題で個人の問題ではないため、全く気にせずに休職に入りましょう。

 もしも余裕がある場合には、短い期間で引継ぎを行うと良いでしょう。無理して全部の引継ぎを行う予定でいるとそれはそれでプレッシャーになるため、簡易的でも構いませんし、できる範囲で十分です。引継ぎを行ったほうが休職中に、仕事のことの心配事がだいぶ減るので、余裕がある人は引継ぎまで行いましょう。

私の体験談

私は、2度産業医の面談をして、その後に休職に入りました。その時に具体的にどんな事を相談したか、どんなことを会社に提言してもらったかなどを話していきます。

具体的に相談したこと

私は仕事面と健康面で具体的に次のようなことを相談しました。

仕事面
  • 人間関係のイライラややる気の低下についての相談
    • 上司があまりにも判断できず、全て私が関わって判断をしないといけない仕事量の大変さとプレッシャーに押しつぶされていたことを伝えることができました。
    • アルバイトさんとの人間関係があまりうまく行かずに、ただそれについても相談がしにくく、一人で抱えてしまっていたことを伝えました。

この相談ができて気持ちが楽になったのと同時に、仕事量が正常でないため、私の意向もあり産業医という立場から会社に人材補充・残業禁止、最後には休職の提言もしてもらいました。

健康面
  • 寝つきが悪かったことやストレス発散がいまいちできていないことの相談

この相談で、寝つきが良くなるおすすめの漢方薬を教えてもらえたり、プライベートでのストレス発散の大切さも教えてもらえたり、客観的なアドバイスをもらいました。

産業医→会社への提言

 私の意向もあって、2回の面談時にそれぞれ産業医の先生から会社への提言してもらい、提言内容は私の場合は次の通りです。

1回目

  • 仕事量が多いことが一番イライラの原因になっていたこともあり、残業時間を短くすること・会社として人員を補充することを提言

2回目

  • 残業禁止と引継ぎ等してからの長期休みをとることを提言

これにより、1回目は人員補充に向き合ってくれて希望が見えて少し気持ちが楽になったり、2回目はもう限界だったことを客観的に判断もしてくれて、限界を超える前に休職させてもらえました。

休職までの流れ

 私は2度目の面談を行って、休職することになりました。その理由として、1度目では会社に対してイライラする状態だったのに対して、2度目の面談時(2か月後)にはやる気がそこをついて諦めの気持ちが先行し自暴自棄になっていたことで、このまま行くとうつになると言ってもらい、休職しませんかと言ってもらったことがきっかけです。

 私自身はまだ心身がぎりぎり大丈夫だったこともあり、相談の上で引継ぎ期間を3週間ほどもらい、そこから2か月の休職に入ることになりました。簡単ではありましたが引継ぎをしっかりとできたことで「休職中は引き継いだから大丈夫!やるべきことはやった!」と胸張って休みに入れまして、休職中は仕事のことを気にすることはありませんでした。

産業医を受けてよかったこと

 私は産業医面談を受けてすごく良かったと感じています。それは仕事で辛い状況からなかなか抜け出すことができず、出口も見えない状況だったので、良い方向に向かうことができました。

受けてみて良かったこと
  • 客観的にみて大変と思ってもらい、共感してもらうことで気持ちが楽になったこと
  • 会社に言いづらい人員補充といったことを、第三者の立場から提言してもらえたこと
  • 産業医面談で精神科受診のアドバイスをもらうことで、精神科にてうつ状態と言われる状態になっていたことに早めに気づけたこと
  • 産業医と精神科からの内容をもって休職という選択肢を得られたこと
  • 実際に休職を経て心身共に楽になったこと

私は今後も産業医面談は気軽に受けてみたいと思っています。

産業医を受けたいくらい気持ちが落ちている人におすすめの本

 産業医を受けたい気持ちになるまで、メンタル不調で悩んでいる・会社を辞めたくなっている人向けの一冊を紹介しておきます。 良ければ、こちらの本もぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

客観的なアドバイスで不安な気持ちを軽くしてくれる一冊

 ・本のタイトル:「しんどい心にさようなら」生きやすくなる55の考え方
 ・著者:きい
 ・出版社:KADOKAWA

<内容>
 ひとそれぞれ悩みはつきものです。もっとしっかりしなければ、周りの目が怖い、気を遣いすぎて辛い、自分はなんてダメなんだなど。なかなか誰かに相談もできないそんな悩みに対して、客観的な視点でヒントを与えてくれます。気持ちが軽くなり考え方が変わってくることのできる本で、おススメです。

会社でしんどい時こそ、別の道もあることを教えてくれる一冊

 ・本のタイトル:「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由
 ・著者:汐街コナ
 ・出版社:株式会社あさ出版

<内容>
 会社で働いているととてもしんどい気持ちになることがあります。それでも、会社を辞めるという選択がどうしても怖くて頭になく逃げ出したいのに、逃げ方がわからずにメンタルで追い込まれることがあるでしょう。私もそうでした。そんな中で、もっと世の中は広くて他の道に進むこともできると気持ちが変わるきっかけになる本です。

うつ状態・うつ病、その手前の気分など、病んだ気持ちの解消方法を学べる一冊

 ・本のタイトル:完全復職率9割の医師が教える「うつが治る食べ方、考え方、すごし方」
 ・著者:廣瀬久益
 ・出版社:CCCメディアハウス

<内容>
 仕事の忙しさ、日々の楽しみがないなどからうつになったりとすることもあるでしょう。うつ病・うつ状態などのメンタル不調から回復させることができた医師の体験談を用いて、メンタルの回復するために必要なことを教えてくれます。特に、休養の大切さと再発しないための栄養やメンタルコントロールの取り組みなどが学べるため、メンタル不調を抱えている人にまずは読んでほしい本になります。

最後に

 今自分がどういった状況なのか客観的に見て、アドバイスをくれるので、心身がやられている人は、すぐに面談を受けてみると良いと思いました。面談を受ける前は、話を聞いてくれないかも、正しく伝わらないかもと思いましたが、産業医の先生は話の引き出し方がうまいので、素直に気軽に話をすればよいと思います。また、守秘義務があるので、安心して話せる相手になります。それに、本当に危ない状況の時には、休みを取りなさいや残業禁止など、自分の体を守ることに強く進言もしてくれたりするのでとても心強かったです。そして、本人の意向次第で、第三者視点という建付けで会社へも進言してくれるので、追い込まれているときには実際に状況が変わりやすいです。

 誰しも自分のことで忘れがちですが、仕事よりも心身を大切にすることのほうがはるかに大切です。とても身近でアドバイスをもらえる環境にあるため、ハードルを高く設定せずに受けてみてはいかがでしょうか?

休職中、不安になることについての解消方法についてもブログにまとめていますので、良ければこちらもご参照ください。

<休職中に不安が強くなった経験>

以上になります。
最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございました!

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