皆さんの会社や部署でもデータを管理していると思います。例えば、取引先情報の一覧として会社コードや会社名などのいわゆるマスタ情報の管理は、どの会社でも当然ながら管理をしているはずです。
そんな中で、こんなことに困っていませんか?
- 会社の名前に空欄のありなしが混ざってしまっている
- 新しいマスタ情報を作った際に、他のマスタ情報と名称が一致しなかった
そのために、例えばExcelのVLOOKUP関数などがうまく動作しないなど、名前が一致しないで困った経験などありませんか?
名前が一致しないと、毎回名前合わせの作業からやったり、そもそも想定しない一致データになり分析データとしては不備ができていたりなど、大変困るものです!(Excel中心で作業をしている人にとっては特にこの沼にはまった経験が一度はあるのではないでしょうか?)
これを解消する方法はたった一つです!それは、マスタ情報に名前のルールを統一することです。
その方法などを解説していきます。
まずは名前を付けるルールを作ろう!!
会社全体や部署全体で利用するマスタに関しては、そもそも名前のルールを作っておくことがとても大切です。この名前のルールを定めたものを命名規則と言います。
これってすごく簡単なことに聞こえますが、実は意識していないとすごく難しいです。
難しい理由としては、こんな感じです。
- 会社は一人で対応するのではないため、誰かが想定外の文字列を入力してしまう
- 例えば、名前の欄に姓名を入れる際に、姓と名の間に空白を入れるかどうか迷って人それぞれになってしまう
- 同じ人が入力作業をするとしても、ルールを意識的にしないと前に入れたのと後に入れたので食い違ってくる
まだ、マスタ情報の量が少ない場合は、目で見ても簡単に判断できますが、100や1,000など量がかなり増えてくると、収拾がつかなくなってしまいます。
だからこそ、マスタ情報の整理には、まず”命名規則”をつくることから始めていくべきです
いつ命名規則を行えばよい?
命名規則を行うタイミングですが、まだマスタ情報を整理できていないのであれば、”今すぐ”にでもやるべきと思います。なぜなら日々マスタ情報は増えていくからです。せめて、新しいマスタ情報を作る際には、命名規則があるのかどうかの確認を、なければ作るところから始めて、他のマスタ情報も一緒に確認すると良いでしょう!
今からでも遅くないので、早めに取り掛かることをおすすめします!
具体的な命名規則の作り方
では、命名規則を作るうえで、具体的な方法例をお伝えします。悩みになりそうな部分をどちらかに統一することから始めます。
まずは次のようなものを統一しましょう!
どちらに統一する?
- 空白を入れるかどうか
- 空白は利用NGとする
- 空白の代わりなどで”_”、”-“は入れるかどうか
- “_”のみ利用可能とする。(ただし英単語空欄の代わりのみとする。)例)Google_LLCなど
- 英語や日本語は半角文字か全角文字かどうか
- 半角文字のみ利用可能とする
- 株式会社、有限会社などは㈱や㈲を使ってよいか?
- 環境依存文字の㈱や㈲は利用NGとする
- そのほかに記号は使っても良いかどうか
- 上段に出てきた”_”のみ利用可能で、他の記号は利用しない。
こうした、人によって利用するか判断迷うものはルールをちゃんと作って統一することで解消ができます。ここまでの情報をまとめたものが次の通りです。
命名規則の大原則ルール
<利用OK>
半角アルファベット大文字/小文字、半角数字、日本語、
”_” (英単語空欄の代わりのみ利用可)
<利用NG>
全角文字、空欄、”-”、 ”㈱”、その他記号
具体的な利用時のルールも統一
大原則のルールとしては前段に記載した通りですが、さらに利用内容によってもさらに絞ってまとめると良いでしょう。
- コード番号の時は英語は大文字のみ
- 日付は”/”などをいれずに数字のみ
など、内容によって利用OKを絞ることが迷うことなく利用できるので大切なルール作りになります。これを表にまとめてみました。
命名規則の内容対応表
コード | 文字列 | 日付 | |
半角アルファベット大文字 | 〇 | 〇 | × |
半角アルファベット小文字 | × | 〇 | × |
数字 | 〇 | 〇 | 〇 |
日本語 | × | 〇 | × |
“_” ※(英単語空欄の代わりのみ利用可) | × | 〇 | × |
”/” | × | × | × |
全角文字、空欄、”-”、 ”㈱”、その他記号 | × | × | × |
このように、利用内容別で対応表を作っておくと一発で確認もできるので、表も作っておくと良いでしょう。
業務整備に向けてのおすすめ本の紹介
今回のマスタ情報の整備など含めて、新たにシステム導入などの業務整備関連の具体的な方法や、そもそもマスタ情報の整備にあてる時間確保するために、仕事に余裕を出すための方法などについて乗っている本を紹介します。
業務整備の具体的な方法を紹介している一冊
・本のタイトル:システムを作らせる技術
・著者:白川 克, 濵本 佳史
・出版社:日本経済新聞出版
<内容>
システム導入などの向き合う際のプロジェクトマネージャーに最適な本で、コンサル会社が具体的な手順を教えてくれる本になります。特にシステム改良するまでに向き合う工程が山ほどあり、そこにいかに時間を使い、しっかりとした方法論で取り組めるかが大切なことを開設しており、方法がぎっしり詰まった参考書となります。
仕事の状況整理に関する図表の作り方を教えてくれる一冊
・本のタイトル:ビジネスフレームワーク図鑑
・著者:小野義直、宮田匠
・出版社:株式会社アンド
<内容>
課題解決・業務改善・戦略立案など、仕事においてすぐに使える管理表や棚卸方法といった具体的な表や図の作り方を教えてくれます。特に、仕事に行き詰った時に方法論を見つけるうえで、参考書として何度も見返したりして、現状を打破するアイデアが生まれるきっかけを与えてくれる本です。
余計な仕事を減らして時間確保できる方法を教えてくれる一冊
・本のタイトル:エッセンシャル思考
・著者:グレッグマキューン
・出版社:株式会社かんき出版
<内容>
仕事の大半が実は自分にとって大切なことではないことがほとんどです。その中で、仕事であったり、プライベートであったりに対して、自分の大切なことのみにしっかりと絞って集中することで、時間確保のために余計にやっていた仕事を無くす意識を教えてくれる本です。
最後に
”大原則ルール”と”内容対応表”として命名規則のまとめ方を紹介してきました。こうしたルールをとにかく早めに作って統一させておきましょう。そして、マスタ情報を命名規則にのっとったものに一度整備しておくことが非常に重要です。なぜなら、後々のことを考えておくとやらないリスクが高すぎるためです。今からでも間に合いますので、早めに取り掛かることをおすすめします。